Dental Life Academy

はじめましてDental Life Academy管理人のラッコです。当ブログでは現役歯学部生による歯科、歯学部への疑問を解決していきます!趣味の写真、読書についても書くのでそちらもどうぞよろしくお願いします。

【小説】革命前夜

革命前夜 (文春文庫)

革命前夜 (文春文庫)

あらすじ

バブル期の日本を離れ、東ドイツに音楽留学したピアニストのマヤマ。個性あふれる才能の中、自分の音を求めてあがくマヤマはある時、教会で素晴らしいバッハに出会う。演奏者は金髪の美女のオルガン奏者。彼女は国家保安省の監視対象だった。冷戦下のドイツの舞台に青年音楽家の成長を描く歴史エンターテイメント。


感想

あらすじ以上の内容はあまり入れないので自分で読みたい人も見て大丈夫です!


マヤマは東ドイツに渡った後、教会で出会った素晴らしいオルガン奏者だけでなく、荒っぽいが何故か引き込まれるバイオリン奏者に出会います。何故この2人はこんなにも心に響く音を奏でることが出来るのかとマヤマは悩み、また翻弄されていきます。自分の音、自分らしい音がわからなくなっていくのです。さらに、日本からきたマヤマですが、いつの間にか冷戦下のドイツ渦に飲み込まれていきます。
そんな中、どの様にして自分の音を見つけ出していくかを読んでいただきたい!


【革命前夜】という小説を読んで私は、"世界でもっとも貧しい大統領"として知られるウルグアイホセ・ムヒカ大統領のスピーチを思い出しました。以下、スピーチの引用です。


「私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球へやってきたのです。」


彼は人間の生み出した、資本主義という大きな力が逆に人間を苦しめ、更には環境までも破壊していることを伝えました。
このスピーチを初めて聞いた当時の私は、確かにそうだ!と感じました。現代の社会は、スマートフォン、パソコン、テレビ、車、といった多くの機器で溢れています。確かに便利ですし、こうしたブログで私も恩恵を受けています。しかし、私はこんな便利な世界に貧しさも感じます。便利になった分、より便利な生活を求め生活が雑になり創意工夫も無くなってしまっていることもあります。現代の人は物的幸せを求めるあまり、幸せから遠のいている人も多いのではないでしょうか。

今回の小説でも資本主義の西ベルリンと共産主義の東ベルリンでの生活の対比があります。
マヤマの留学した東ベルリンは貧困に苦しみ、西ベルリンの世界に逃げたいと感じる人々が沢山いました。マヤマは日本人のため比較的自由に東西へと出入りできましたが、物に満ちた西ベルリンに彼は何か足りない物を感じていました。むしろ物が足りない東ベルリンに住む人々に対し輝き、力強さ、人間らしさを感じるのです。


最後に

どうでしたか?【革命前夜】。
私が多く読んできた小説の中でも面白く、心に残った作品です。ぜひ、読んで何か感じてもらうといいと思います!!


おまけ

私は大学に入るい以前は小説を読むことはありませんでした。むしろ嫌いなもののひとつだったかもしれません。しかし、そんな私がある小説に出会い、本を読むことの楽しさを感じるようになりました。どうしてそんな本嫌いの私が本を読むようになったのかは、次回以降にお話します!お楽しみに。

革命前夜 (文春文庫)

革命前夜 (文春文庫)




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